【症例】ご家族で海に行けたがん末期のご利用者様

症例

がん末期のご利用者様。訪問看護が介入した時は食事も難しくベッド上寝たきりでした。奥様が大好きで家族との旅行や集まりがなによりも生きがいの方で、いつもサポートしてくれる家族と一緒にもう一度海へ行きたい、旅行へ行きたいと希望をおっしゃっていました。ご希望を叶えるべく看護師による週3回の状態管理とリハビリによる積極的な離床の促し、トイレまでの歩行移動という目標を掲げ、往診、看護、リハの連携で関わっていました。徐々に状態が悪化していく中でも目標を達成するために頑張るモチベーションを維持し続けてもらうためのご本人への声掛け、もうすぐお別れなのではないかという気持ちと戦っている奥様のメンタルのフォローも行いつつ、長時間外出できるための体調管理と体調変化に対応する方法を往診と相談し、家族への指導を徹底して行いました。リハビリでは身体機能面では積極的な離床により耐久性の向上、心肺機能の改善、本人のリハ意欲向上を図り、家族に移乗方法や介助指導を行いリハ以外の時間帯も椅子に座ってテレビを見るようにするなどの提案をしました。
屋外に移動できるように車椅子への座位練習も行いました。

結果として、奥様、息子様ご夫婦、お孫様と日帰り外出ができ、もう一度奥様と見たかった海へ無事に行くことができました。そして次回は家族そろって伊豆へ1泊旅行する予定を立てることができました。

疾患や状態という一面で考えると「守り」をつい考えがちですが、本人・家族の思いに寄り添う「攻め」の目標と行動が多くの人を動かし目標に向かって一緒に考えていく力を感じることができ、担当スタッフ一同ひとつレベルアップすることが出来た経験でした。