腎細胞癌末期の方が自分らしく生活できるように。
化学療法の副作用で自己免疫性の脳炎を併発してしまい、それに伴い認知力が低下したことで、病院では転倒転落の危険が高まったことによる身体的抑制が行われていた状況で、ご本人様、ご家族様ともにとても辛く、苦しい期間を過ごされたと伺いました。
そんな中、ご本人様やご家族様の意向として、できるだけ薬は使わずに穏やかに過ごしていきたいという強い思いがこみ上げ、これまで続けてこられた病院での化学療法を断念されて、ベストリハナーシングホームでの生活をご希望された方です。
MSWとベストリハナーシングホームの看護師が連携を行い、スムーズに入居を進めることでご本人様やご家族様の意向をなるべく早く実現することができました。入居後は往診医と相談をしながら、可能な限り内服薬を減らして、ご意向通り、穏やかに過ごしていただくことができたと思います。
また これまでの生活環境を変えないこと、身体的抑制をしないことを目的に、お部屋ではお布団で就寝する生活を選択することで、安心安全をご提供できました。
その結果、ご本人様も時折笑顔が見られ、ご家族様も最期の時間を大切に過ごすことができたとおっしゃっていました。病院での継続的な治療も一つの選択肢、できる限り自分らしく為に施設での生活も一つの選択肢です。
ご本人様・ご家族様が納得のいく姿を我々は一緒に模索できればと思います。